Setsu. 1992-1995

1992年の秋から1995年の暮れまでの、長沢節先生の言葉を中心としたセツ・モード・セミナーの点景集 。 copyright (C) GRINO.

empereur

天皇陛下が来たって、描いてる場所どいちゃダメです!

オマエ、ちょっと下がりな! ぎゅうぎゅう 
   

‥‥え。

forme arrière

tourne

姿勢が悪くていいデッサンが描けるか!オマエは足、悪いのか?

どうしてまわり廻ってもみないで座ったまま描きはじめるんだ?バカみたい!

こっちよりも、あっちの方がいいかもしれないよ。ちゃんと廻ってみないと。やっぱこっちがよかったら、もどって描きなさい。

頭の中でデッサンしながら見て廻るのも、大切な勉強です!

fâché

セツ先生は、ほとんど怒ったことがありませんでした。

3年いて。先生が声を荒げたのを見たのは1度だけです。ああしろ、こうしろ、ということもあまりいいませんでした。ただ、ときどきデッサンをしている時に、座ったままでいる生徒を見つけると姿勢のことなどをおっしゃいました。

tient

nécessité

絵を描く上で、常にある種の不安材料は必要です。

tableau noir

confiance en soi

見てごらん、手前の人の頭はこんなに大きいけれど足までちゃんと入っている。立体が表現されているんだね。くくーっ

endroit

voyez

ホラ、オマエたち、あとでいいから今描いたこのデッサン見てごらん。大ケッサクができたよ。あとでいいからね。ホラ、オマエ描いたのがケッサクになっちゃったよ。

nudité dessin

la panpan

珍しく、ジャケットを着ていた節先生。女の子に「先生、それ、いい生地ですねー」と言われて。

これ?これを作ったのは随分昔よ。そう、自分で作ったの。だって、その頃はこんなの売ってなかったんだから。雑誌とかを見て。生地はね、P.X.ってとこがあって、進駐軍のいたとこよ。ここにはパンパンだけが入れるの。それでパンパンと友達になって、頼んで、イギリスの生地を手に入れて作ったのよ。だから、生地はいいのよ。これ。随分もっているもの。ねえ。だからパンパンには世話になったのよ。俺なんか。