Setsu. 1992-1995

1992年の秋から1995年の暮れまでの、長沢節先生の言葉を中心としたセツ・モード・セミナーの点景集 。 copyright (C) GRINO.

la soirée

bidon

夕方。晴海食堂を背に右手へ、廃墟みたいなコンクリの建物がある曲がり角で、行儀の悪い生徒たちが道ばたにちらかしていた、セツ先生の大嫌いな缶コーヒーの空き缶を「もうネ、こういう捨てる文化っていうのは、ダメなのよ」と言いながら集めているセツ先生に会いました。

prise de l'abri de la pluie

sexe avec paysage

晴海食堂で食事中のセツ先生に質問。

先生、風景とセックスするって、どういうことですか?

オマエ、あれはライターが勝手に書いたんだよう。でもやっぱりプロはうまいこと書くもんだね。だから書いてある通りのことだよ!

cote d'azur

オリーブ少女たちも、2日目からは日焼けに対して完全防備。ほっかむりに手袋をした、農作業のおばちゃんファッションで陽射しに負けずに絵を描きます。しかしその中に、先生の「ここは日本のコート・ダジュール!」という言葉を呑み込んでカンペキな南仏リゾート・ファッションでキメられていた強者さんもいらっしゃいました。カッコよかったです。

elle porte

gorogoro

数百人のオリーブ少女(死語)たちが、二つ折り画板にゴロゴロ引いて外房線・大原駅に降り立ちます。ゴロゴロガラゴロと漁港に入ると、自転車に乗った漁師さんが「今年もきたかい」とか声をかけてくれます。

6月はイナダ漁の最盛期です。

陽射しと照り返しで、色白のオリーブ少女さんたちが、一日でまっくろになります。

plein soleil

朝早く起きて絵を描いた子がいたの。その絵、太陽が三つもあるの!すごくシュールな風景よ。波の色がキレイでねえ。それを合評会のときに「A!」ってほめたら、次の年から4時起きがはやっちゃって!うるさくってしょうがないの。バカみたい!

…バカじゃない、べんきょー熱心なのネ。

elle dort

salutation

写生大会では、絵を描いている友達をみかけてもあいさつしたらだめよ!

le côté

デッサンはモデルを正面にとらえてそのまま描くけれど、タブローはネ、こう横を向いて。絵の具を出したり筆をシャカシャカ洗ったりしている時に見て、それでこっち側で描くのよ。

o-hara

6月です。セツの6月といえば、千葉県の大原に行きます。外房・大原漁港の夏の風物詩。セツ・モードセミナーの風景写生大会。3日間。それまで、タブローの授業は教室で人物か静物をやるくらいで、いよいよ風景写生です。教科書(わたしの水彩)に載っていた「風景とセックス」の授業です。はじめての大原行きの前に、先生の講義がありました。

fille et garçon d'Ohara