Setsu. 1992-1995

1992年の秋から1995年の暮れまでの、長沢節先生の言葉を中心としたセツ・モード・セミナーの点景集 。 copyright (C) GRINO.

オレはこれから映画の試写会だよ、がんばらなくちゃ!

センセー、今日の晩ごはんは何ですか?

のこりものよォ。おじやにしよーかと思って。

なんだ誰も見に来やしないじゃないか!そうか、もうみんなオレのデッサンにあきたんだな…。

オレのはやっぱ、チンポコがみんな大きいね。

さあイイ線はどこに隠れてるかなー。反対側にもまわってみなきゃダメよー。反対側にまわってみると、「あっ、こんなカタチだったんだ」ってビックリするから。ビックリすると、いいデッサンになるのよー。

visage et corps

男はネ、精神的だから顔に出るの
女はソクブツ的だから体に出るのよ。きゅーっ!

なんだー、オマエは。モデルさんこんなにヤセてきれいな人なのに、こんなにデブに描いて!みんなそうだな。先生みたいにヤセてカッコよく描きなさい!

haute couture

プレタは、既製服ね。これは、お金を出したらオマエたちでも買えるんだけど、オートクチュールは本当のお金持ちしか、買えません。

オートクチュールは、ふつうに描いたらあんまり高そうな服に見えないから、それにはコツがあるの。

顔をね、おばさんに描くの。あんまり若い顔のに着せても高そうに見えないから。それがコツよ。オマエ、オートクチュールなんてスゴイお金持ちじゃなきゃ、買えないんだよ。

先生、ハイヒールがどうもうまく描けないんですけど‥‥

それはオマエ、まだ足が描けてないからだよ。足が描けるようになれば、つま先立てて、かかとにちょこんと乗っければいいんだから

オレは昔、バレリーナとつきあってた頃にハイヒールを借りてちょっと履いてみたんだ。足ぐらしてすっころびそうになっちゃったよ!

ミニにね、ロングブーツなの。足首のところで急にしまっているようなロングブーツは下品。おまえたちが一生はけないようないいブーツってゆうのはね、ふくらはぎのここでピッとしてて、あとはゆるんでるの。足首のところは皮のシワで描く。ここがうまく描けるかどうかだよ。