contraste avec d'autres
まず、生徒たち自身にそれを見物させ、ガヤガヤとお互いに勝手な批評をさせるのである。私がそれらのガヤガヤををすくい上げ、もう少しうまくまとめてやるのがたいへんなのだが、誰もが自分のやってきた作品を基準にして、仲間の作品を見ているわけだから、なにも私がいわなくたって自分流の批評はしているはずである。そして、彼らは自分と仲間たちとがどう違っていて、どうきたなくて、どう美しいかということを正直に感じ取っているのだと思う。そこへ私流の感じ方や考え方を重ねていくのだが、これが絶対の評価ではないことをあらかじめ断っておく。これを四五十人もやると、私はもうヘトヘトになってしまうのだが、はじめの慣れない頃は高熱を出し、その後入院してしまったこともある。
いまでは慣れてもっと楽しんでやれるようになったが、この合評会という授業を発明したことで生徒たちの雰囲気がすっかり変わってしまったのは事実である。
---------------- 「わたしの水彩」より
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