Setsu. 1992-1995

1992年の秋から1995年の暮れまでの、長沢節先生の言葉を中心としたセツ・モード・セミナーの点景集 。 copyright (C) GRINO.

professeur raisonnable

セツ先生はとても合理的な人でした。過去には画板と紙入れ兼用の「ふたつ折り画板」というものを制作したり、さらに安価なベニヤ板で作る折りたたみ式の画板を考案したりと、生活自体がシンプルな方でしたが、絵に使う道具などもより便利なように工夫されて、シンプルで無駄のないものを考えられていました。

その工夫のされ方、というのは少しおおげさな言い方ですが、無駄をはぶいていく“引き算”的な考え方だったように思われます。

いろんなものを「削ぎ落として」生きているように見えたセツ先生。

描かないと死んじゃうよー」と言っていたセツ先生ですが、絵を描くということの大いなる「無駄さ」について、時折おかしそうに語っていたことも、思い出します。