professeur raisonnable
セツ先生はとても合理的な人でした。過去には画板と紙入れ兼用の「ふたつ折り画板」というものを制作したり、さらに安価なベニヤ板で作る折りたたみ式の画板を考案したりと、生活自体がシンプルな方でしたが、絵に使う道具などもより便利なように工夫されて、シンプルで無駄のないものを考えられていました。
その工夫のされ方、というのは少しおおげさな言い方ですが、無駄をはぶいていく“引き算”的な考え方だったように思われます。
いろんなものを「削ぎ落として」生きているように見えたセツ先生。
「描かないと死んじゃうよー」と言っていたセツ先生ですが、絵を描くということの大いなる「無駄さ」について、時折おかしそうに語っていたことも、思い出します。
<< Home