Setsu. 1992-1995

1992年の秋から1995年の暮れまでの、長沢節先生の言葉を中心としたセツ・モード・セミナーの点景集 。 copyright (C) GRINO.

最初にアワをたくさんたてることだよ。いい豆ほど泡がたくさんたつし。あとはあまり動かさずに静かに入れることだね。でも一人分ってのはうまくはいらないよ。

-------- 教頭先生

火山のように、泡をたてるのよ。

最後にこう、かき回せないとネ。薄いのと濃いのができちゃうから。

「の」の字を書くなんていうけど、あんなことしちゃだめよ。できるだけ細く、こうゆう注ぎ口のでネ、動かさないで真ん中にしずーかにいれてくのよ。

コーヒーのいれかたを教えてあげるよ。よし!今日は特別、この豆を使ってあげる。ゲリラの元明がいれたんだ。

まずこうして、フィルターを互い違いに折らなきゃダメ。そうして、目盛り「1」のところで豆をひきます。ドリッパーは「メリタ」。版権問題で「カリタ」は3ツ穴にしてるけど、やっぱ早く落ちすぎて、あれはダメ。そうして、最初は全体にしめらすように、こう、蒸らします。それから、ここが大事。まん中に静かにお湯をそそぎます。よく、まわしていれるとか言うけど、あれは間違い。せっかくできた土手がこわれて、まわりから粉を通過しないで下に落ちちゃうのが出てくるから。

non blanchissement

フィルターは漂白してない茶色のを使うのよ。薬がはいっちゃうから。

issei

デザイナーの三宅一生さんが、一生のうちで一番おいしかったコーヒー(’94年当時の取材)は、若い頃にセツ先生にいれてもらったコーヒーだった、とおっしゃっています。

setsu café

鐘がカランカランと鳴って30分ほどの休憩時間がはじまると、ロビーからコーヒーの香りが漂ってきます。セツ・カフェのカフェ・オレ。1日3回。午後は、たいてい教頭先生がいれてくれてました。値段は100円(!)。小さな籠にお金を入れて、カップを持ってそのまま吹き抜けのロビーで飲んだり、中庭に出たり。

セツ先生は、小さめのマイ・カップで。生徒の会話に入ったり、耳をつまんだり。